2010年3月22日月曜日
信頼というコミュニケーション
最近万引きが激増しているそうですが、親が万引きをした娘に対して、血相を変えて怒ってみたり、オロオロしてみてもはじまりません。
なぜ万引きをしたのだろうか。その品物がほんとうにほしかった。でも小遣いでは足りず、お母さんにお金を出してとも言えなかったということは、親に負担をかけまいという、やさしい気持ちがどこかで少しはたらいていたかも知れません。そういう気持ちを見つけだしてやる。これが「信頼」することです。
「信頼」とは、だまされる覚悟でするものです。さらにいえば「信頼」することは、だまされることを覚悟することです。しかし、間違えないでください。「ああ、やっぱりだまされた」と思う状態を味わってくださいと言っているわけではありません。
だまされることを覚悟して、そうならないように、どうすればいいかを考え、行動することが大切なのです。マネジメントする人にはこの態度は不可欠です。やさしさとはそういうことだと思います。
ですから、部下が嫌がるだろうと想像して、したいこと、しなければならないことを指示しなかったり、顔色を伺って勝手な判断を下すのは、本当のやさしさとは思えません。
嫌がる理由を見つけ出してやる。それが信頼です。その上で、嫌がらないようにするにはどうしてやったらいいのか、あるいは嫌がってもやらせて、「やってよかった」と思わせるために、どうしてやったらいいのか。こちらの信頼に応えるようにしてやるにはどうしてやったらいいのかを考えて行動する。
結果的にだまされても、非があることは本人も重々承知なのでしょうから、相手にはどうしようもない事情があったのだ、ということを見つけようとすることが信頼です。
繰り返しますが、間違えないでください。どうしようもない事情があったのだ、だから仕方がないと言っているのではありません。どうしようもない事情を見つけて、解決方法を探して、解決するということです。
これはなかなかむずかしいことです。それでも基本的に他人を信頼することは、私たちにとって重要なことなのです。
自分から、「人の信頼を傷つけていることはよくない」と自覚するようになると、信頼に応えようとします。その行動が、信頼に応えるということです。それには、日頃から、信頼に応える仕事とはどういうものなのか、あらゆる機会を通じて、何度も教えることが欠かせません。なぜなら、聞いてくれていないからです。聞いて知っていても実行しないからです。それでも話すことをやめない。それが信頼です。日頃から何度も何度もあらゆる機会を通じて、何度も教えていく。それが信頼している態度なのです。
仕事の基本は、そのためのヒント集です。でも、職場は学校ではありません。
「THE WAY 仕事の生き方」の中でも言っているように、自分の役割を果たすのが命題であって、余計なことに手間をとらせないということはマナーなのです。
マートワン
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