2010年3月23日火曜日

挨拶力



■挨拶は人間の基本

 新入社員の方が、真っ先に身につけることは挨拶です。ですから社会経験が豊富な人は挨拶の達人になっているはずです。ところが新入社員に限らず挨拶ができない、しない人が多い傾向にあるのはどうしてでしょうか?挨拶をどうでもいいと思っていると幸福になる力であるライフスキルは育ちません。

 ある一部上場会社の社宅で、勤続20年以上の先輩に対して、朝の挨拶も夜の挨拶もない、会社のエレベータであってもないというのは、驚きとしか言いようがないでしょう。なぜ、そんなことになっているのでしょうか?挨拶の言葉はとっても素敵なのに、挨拶をしないのは、もったいないとしか言いようがありません。

 恥ずかしい、照れくさいかも知れません。ライフスキルを身につける場である学校では、先生が教室に入ってきて、場が落ち着いてから代表者が「礼」と号令をかけます。そこで一斉に立ち上がって挨拶をします。挨拶の気持ちを忘れて形骸化した挨拶を繰り返す内に、挨拶は儀式と記憶してしまった人が増えているのかも知れません。どうせ決まり文句、言っても言わなくても同じと思っているかも知れません。


■「挨拶」の気持ち

 挨拶は人間の基本です。なぜ挨拶が人間の基本なのでしょうか。挨拶とは、相手と自分に対する思いやりの気持ちそのものだからです。挨拶の言葉には、いくつもの思いがこめられています。

 「おはようございます」には、私は元気です。あなたも元気ですか?がんばっていますか。私もがんばります。「おはようございます」は、生への感謝、思いやり、励ましを凝縮した言葉です。「こんにちは」も同じです。「こんばんわ」には1日のねぎらいがこめられています。

 「いらっしやいませ」には。よくお越しいただきました。当店を選んでいただきありがとうございます。わざわざお時間をさいていただきありがとうございます。という意味があります。

 出かけるときの「行ってきます」には、留守中のサポートをお願いする意味があります。これから外で仕事をしてきます。がんばってきます。自分に用件が入ったら、代わって応対しておいてください。といった意味が込められています。

 「いってらっしゃい」には、気をつけて行ってきてください。あなたの留守中、頑張ります。あなたに用件が入ったら代わって応対しておきます。といった意味が込められています。ですから「行ってきます」に対して「はい」では不十分なのです。

 気をつけて、今日も元気で、皆さんによろしく、言葉にできないメッセージを挨拶のひとことに込めて、挨拶をしているとするほどに愛情が泉のようにたまっていきます。ライフスキルを育むながら、どんどん自分が自由になる感覚が強くなります。心をこめた挨拶をするたびに、自立が進むことなのです。

相手が先輩、上司、お客様、後輩にも自分からします。挨拶は誠実。率直、対等、自己責任を支えにした励ましでもあるからです。だから、自分から近づいて挨拶をする人は、美しく見えます。

 また挨拶は楽しいものです。自分の良心と良識、人として自由であることを表現しているのと同じです。良心とは誠実、率直、対等、自己責任です。良識は知識・技術を良心で使いこなすことです。挨拶を通じて 自分は自由だということを表現するわけですから、愉しくないわけがないのです。

愉しいことを陰気な感じでしていると、自分でも自分の感情がなんだか分からなくなってきます。挨拶が愉しいものと思えないという人は、すでに身についているライフスキルを自分から追い出しているようなものです。

■挨拶の態度

 挨拶は元気に明るく、笑顔で、相手の目を見て心で伝えるようにします。目を見ないで挨拶しても、心は届きません。目は心の窓、まなざしに思いやりをこめれば、自然に親しみとやさしさが伝わります。あたたかい気持ちを投げかけたら 、やっぱりお返しにあたたかい気持ちが返ってきます。

 歩いているときに、出会ったら、立ち止まって挨拶をします。「おはようございます」の最後の「す」を言い終わってから、お辞儀します。お辞儀は身体で表現する挨拶です。お辞儀には、腰を折る角度が15 度の「会釈」、30 度くらいの敬礼、45 度の最敬礼の3 種類があります。

 お客さまの出迎えやお見送り、訪問した場合は、最敬礼です。同僚には会釈、頻繁に接する上司には会釈、多少あらたまった場合には敬礼です。最敬礼でも悪くはありませんが、社内の場合は「身内」ですから深々としないのが普通です。 家族間で最敬礼は変なように、社内でも同じです。

 どうしても言葉が交わせない場合があります。言葉が交わさない場合にはアイコンタクトを使いましょう。言葉は相手の意識に届きますが、まなざしは相手の心に届きます。


■ 「ありがとう」は一番美しい言葉

世界には6100からの言語があります。言葉は違っても、 世界中で一番美しい言葉 「ありがとう」です。

言語が違っても美しいのは、感謝する心が美しいのは世界共通だからです。世界中の人々は美しくなるためにお金も時間も使っています。先進国であるほどそうです。
だから美しい言葉 「ありがとう」を使わないのは矛盾しています。どんどん気持ちを込めて使わないと、損をします。

 「ありがとう」を使う習慣を持った人は美しく見えます。使い方によって、さらに美しくも、カッコよくも見えます。

気持ちが伝わりやすい「ありがとうございます」は、気持ちが伝わりやすいだけに、繊細なので、取り扱いに注意が必要です。

 現在形の「ありがとうございます」と過去形の「ありがとうございました」は同じでしょうか?過去形で言ってしまうと、相手に「もう用件は終わった。後は勝手に。」と聞こえる場合があります。

せっかくの美しい心が歪んで聞こえてしまうことがあり、使い方で寂しい印象が残ります。英語のTHANK YOUに過去形はありません。使い方に気をつけて感謝の心はいつも「ありがとうございます」で伝えるのがいいのです。

 過去のことでも、いまの気持ちで感謝を伝える方が、うれしく響きます。「いま私は感謝しています」の意味で、先日はありがとうございました」ではなく「先日はありがとうございます」というように、現在形の「ありがとうございます」をどんどん使うと楽しくなります。

 心からの「ありがとうございます」は、使った人も、相手の方も美しく見えます。高価なファションに身を包まなくても、自分の気持ちを言葉にすれば、より美しく見えるのです。「ありがとうございます」に心をこめることができる人はすてきです。


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