2010年3月25日木曜日

お金と仕事



 ホンネの離職理由の第2位が「給料が不満」です。給料をどう考えるか、簡単なようで難しい問題。仕事、人生、幸福を本質で解いて行かないと見えてこないテーマです。

 お金は大切です。お金がないと生活できません。生活できるだけでは満足できない人もいるでしょう。それにしても報酬だけで満足できることはまずないでしょう。贅沢が楽しくても、それに見合う努力の実感がないと耐えられなくなるのです。努力に見合う報酬があったときに報酬はやる気につながるのです。報酬がやる気になるのではなく、行為に見合う報酬があったときにやる気になるだけのことなのです。自分の努力よりも低い報酬であったときに報酬が低いと感じるのです。

報酬には2つの側面があります。ひとつは、行動の評価としての報酬です。もうひとつは報酬が行動をコントロールするものです。働いた分だけ報酬で評価されることで、意欲的になりました。


報酬が行動をコントロールすると、仕事は報酬を得るためにものになります。お金を得るために働いていると思っている人は、仕事はそんなものだと思うでしょうが、それが危険なのです。仕事が報酬を得るためのものであったら、報酬が下がるとやりがいは低下し、意欲はなくなります。さらに報酬がない状態になると、働く目的もなく生きる意欲さえ失う可能性が高くなります。報酬が行動をコントロールするようになるとお金がすべてになります。

お金がすべてになると、倫理感が乏しくなり、どんな方法でもお金をもうければいいと考えるようになります。恊働の思想がなくなり自分の役割へのこだわりがなくなり本当のチームワークは機能しなくなります。チームワークは「分け前」を得るだけのものになります。


報酬が個人の幸福に対して好ましい影響を持つのは、努力へのふさわしい評価になった場合だけなのです。つまり努力の結果としてついてくるときだけです。

それを否定して報酬こそが働く理由だとしたなら、長期間、成果をあげることも、その努力も失われます。なぜなら先に述べたように人間の幸福はお金ではないからです。人間の幸福とはなにか、ひとことで言うなら「なれる最高の自分になること」であり、そのプロセスこそが幸福なのです。つまり「なれる最高の自分」に終わりはなく、人は生涯プロセスにあるからです。それは司馬遼太郎がその作品の中で坂本龍馬に言わせた「倒れる時は前のめりで倒れていたい」と同じです。


どのように説明しても価値観の違いと一蹴する人もいるでしょう。しかし悩みを抱えて心が晴れない状態でうさをはらすように散財をして楽しいでしょうか?いまこの瞬間に集中できない自分が楽しいでしょうか。「なれる最高の自分になるために、そのプロセスに没頭していたら悩みもなく、必要以上にお金を欲しいとも思いません。お金のあることは安心なのでいいことです。

安心を越えて贅沢したいと追究しだすと自分は失われ、なれる最高の自分から遠のき始めます。お金が悪いのではなく、なれる最高の自分から離れて行くことが問題なのです。

給料に対する不満が、評価の低さなら、何が原因なのかを訊くべきです。価値観の違いのなかから「理由」を知ることはエネルギーになります。しかし、誰と比べて給料が低い。賞与が去年と比べて低い。そういった比較で給与に不満を持つことが自分のためになることはありません。とるべき態度はネガティブな不満ではなく、問題を解決するポジティブな姿勢でなければ自分のためになりません。常に会社とその周囲の人のためになるように行動するのです。そういう人を周囲は放っておきません。必ず誰かが見ているものです。なぜなら世の中の人は、そういう人を探しているからです。

いま、もし働く意味も理由も発見できないとしても、考えて働いていることが、評価され、成果をあげることにつながります。生涯につながる大事なことを、思い違いによる目先の不満に惑わされた失いことのないようにしたいものです。

マートワン
【アサーティブネス】自分をじぶんの味方にするために
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日本全国男前プロジェクト
ゲンキポリタンのじぶんぢから再生プロジェクト

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