禅の言葉に「自性清浄心」があります。「じしょうしょうじょうしん」です。人間は本来美しい気持を持っているものです。お互いが自分の内にある美しい気持を出し合えばいい関係は自然にできるものです。それには信頼し、微笑みで接することが始まりです。まだまだ力不足と思っても、信頼して一人前として接すると、相手も頑張って応えたいと思うものです。
モチベーションを高めるには、魅力的な目標が重要です。 魅力のない目標にはモチベーションも下がってしまいます。まず人心をひきつける目標設定が重要。
魅力的な目標は難易度と達成感の強さのバランスが良いことが必須条件です。難易度が高すぎても低すぎてもダメで、少々無理があるくらいが達成感があります。
さらにいくつかの条件があり、次の4つの条件があると、モチベーションはさらにアップすると言われています。
・ラダー効果
・オプション効果
・オプション効果
・スポットライト効果
・サンクス効果
前回の「ラダー効果」に続いて、今回は「オプション効果」についてお話します。オプション効果とは、自分で「選ぶ」ことで、うまく機能させると思わぬ力を発揮することにもなります。
オプション効果の事例は日常に潜んでいます。たとえばクルマを購入するときに、「この色しかありません」と言われるのと、「この中から選んでください」と言われるのでは購入意欲も愛着も随分違いますね。
押し付けられて従属的にやるのと、主体的にやるのではモチベーションが違うのは当然です。事前に自分の考えが反映されると主体性が変わります。責任感も変わります。
そこで問題になるのが「本人の能力」・・・・ふさわしい能力があれば、マネジャーも本人の主張を聞こうとしますが、能力不足の場合には意見を出せる場も与えないことが多いのです。しかし、これでは主体的に取り組む機会が先送りになり気味で成長を遅らせます。
頼りないと思っても、一人前として接して、選択する場を与えて、本人に主体性を発揮させるようにして 成長速度を速めるようにしてはいかがでしょうか?
まだまだ未熟なメンバーであっても自分で考え、行動を重ねると仕事への意識も愛着も高まり問題意識を持つようになります。
そうは言っても、それほど甘くないのが現実です。「自分で選択したから、やる気になっていい結果を出すだろう」といった安易な判断は禁物で、「本人任せにしたらよくなる」というのならマネジャーは不要です。
「自性清浄心」が実現できるように、サポートするのがマネジャーです。放置しておいてオプションをつけったってできないじゃないかと否定するのではなく、気をつけたいのは成功させるようにサポートすることです。
やる気になったから目標が達成できるものではなく、正しい行動をもれなく実行するからできるものです。正しいプロセスを辿っているか、マネジャーが注目して早め早めの軌道修正をサポートをします。もちろん余計な口出しはしないこと。マイルストーン効果を上手に使ってオプション効果を高めるのが、他ならぬマネジャーの腕なのです。
普段からあらゆる機会を通して「道理」「原理原則」を徹底して教えておくことが正しい選択ができる基礎になります。
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