2015年3月3日火曜日

「DESC」を使ってスイッチチェンジする方法



成長に欠かせない物事の見方。「スイッチチェンジ」とは、「ものの見方を変える」テクニックですが、Win-Winの獲得に欠かせません。立ちはだかる壁を突破、現状を変えるアサーティブなコミュニケーションに必須です。

よく使われる事例は「コップの水」がそうですね。





スイッチチェンジする簡単な事例を紹介しましょう。

事例  上司が話を聞いてくれない。

アサーションなコミュニケーションを実現に書かせないツールであるDESC 法は、次の4つで構成されています。

・D=Describe(描写する)
・E=Express(表現する)
・S=Specify(提案する)
・C=Consequences (結果を伝える)

ここでは「上司が話を聞いてくれない。」という困った状況を、 DESC法で心の通うアサーションなコミュニケーションに置き換えてみましょう。

クライアントとの関係ではメリットを柱にしてアサーションなコミュニケー ションが容易ですが、社内の場合はそうはいかない場合が多いように見えます。

しかし、冷静に考えると判りますが、人の行動には理由があります。クライア ントと違うのは、メリット(見返り)が複雑なだけです。その複雑なメリット はクライアントとの関係にも共通しているので、社内だからと甘えず、自分を 磨く場と心して、アサーティブにチャレンジしていきましょう。

上司からイエスを獲得するコツは、日頃から気持ちのいいコミュニケーショ ンをしておくことです。それは「信頼」を築くことです。信頼出来る部下とい うのは上司にとって最大のメリット(見返り)と言えます。

さて、「上司が話を聞いてくれない。」場合ですが、まず現状をDESCで分析してみます。

D)描写=「都合の悪い事はいつも耳を貸さない」
E)表現する=「大事なことなのに、どうでもいいのかな」
S)提案する=「後で困っても知りませんよ」
C)結果を伝える=「指示が出るまで放置しておきます」

これでは、信頼を自ら台無しにするようなものです。この状態を、DESC法でスイッチチェンジして、 快適なコミュニケーションに 向かって変えていきます。

D)描写=「都合の悪い事は聞きたくないのは誰でも同じだ」
E)表現する=「部長の関心のあるテーマにも影響する」
S)提案する=「テーマへの影響も含めて、整理して企画書にしてみよう」
C)結果を伝える=「部長もご心配だと思います。随時ご報告しますので、確認とアドバイスだけしていただけば、この企画で任せていただけばご安心して いただける結果にいたします」

相手が任せるのがイヤなタイプの上司の場合には、
C)結果を伝える=「段取りは私の方で整えます。指揮を執っていただくと、 安心して打ち込めますので、結果が出るように頑張ります」というようにアレンジします。

先のD→E→S→Cと比較してみてください。 随分違いますね。同じ状況なのに、全く違うアプローチになります。上司の気性を考慮して、2つの案をサンプルしましたが、どちらにしても自信 を持ってアプローチすることが大切です。

もし、あなたが上司の立場なら、部下が自信のない態度で同じことを言っても 不安になるだけで、おそらく態度は変わらないでしょう。
最大のターニングポイントは、状況の描写です。

「都合の悪い事はいつも耳を貸さない」→「都合の悪い事は聞きたくないのは 誰でも同じだ」と、スイッチチェンジしたことで、状況を変えました。

先の事例が「自分はOK、他者はNO」の否定的な態度を自分は他者もOKの「自他肯定」に変えた点です。

完璧主義から離れた 結果、気持ちのいいコミュニケーションにして、共感、共 有を作り出しています。

上司に上司がいる場合、あなたのスイッチチェンジによるアサーションなアプ ローチは上司の強い味方になります。上司がよい評価をもらえば、あなたも引き立ててもらえます。ここからも個人の完璧主義の無意味さが浮き彫りです。

以上、アグレッジブな不適当な状態を、DESC法を使ってアサーションな状 態に最適化するサンプルを簡単にお話しました。 

DESC法は、DESCの順に述べなければならないということはありません。 状況に応じて、順序を変えてもいいのです。



成長力をチェックする

積極さ

・人はいろいろで、価値観も違い、相性の良し悪しもあるが、モデリングにするべき長所もあるので、長所は学ぼうと意識して実行しているか?
・自分が誰かにモデリングされるような人物になろうと心がけていますか?
・成功者には共通のパターンがありますが、自分にもできると考え、発見しょうとしていますか?
・自分の同僚や部下(一般)に、自分の立場(マネジャー)で考えることを、指導して、確認していますか?

自己啓発
・遊興については時間も費用も惜しむようにして、自己啓発では時間も費用も惜しまないようにしていますか?
・よく理解できない時は質問して理解するようにしていますか?
・自分が自分の上司になった立場で、物事をみて、考えるように心がけていますか?
・学習は問題解決の基本、実行は学習の基本ですが、学んだことは即日すぐに実行しますか?

スイッチチェンジ
・価値観が違うと思う相手でも、理解するように努めていますか?
・同僚や部下に行動を起こすように命令ではなく、説得できますか?(説得は理解と共感を招くことであり、操作ではない)
・どんなことにも、学ぶことはあるので、チャンスを無駄にしないようにしていますか?
・状態が好ましくないとき、自分に力を与えてくれる解釈を見つけるようにしていますか?

感情
・感情的な行動は慎むようにしていますか?
・自分の成長のプラスになる感情を言葉にすることを習慣化していますか?
・自分の成長にプラスにならない感情は最小限に留めようとしていますか?
・感情を態度でなく、言葉で伝えていますか?

夢の実現
・どのような協力とサポートがあれば、自分の夢が可能になるか具体的に説明できますか?
・時間管理の効率を高めるように学習して、うまく出来るようにしてますか?



肯定的な構えのチェック

肯定的な言葉
・明るくポジティブな言葉を口ぐせにしていますか?
・誰に対しても、挨拶は欠かさず自分から率先してしていますか?
・肯定的な言葉、なかでも「ありがとう」をよく口にしますか?
・愚痴、不平不満、悪口、不安、悲観など否定的な言葉は使っていませんか?

肯定的な態度
・活き活きとした態度、良い姿勢を実践していますか?
・笑顔、微笑みは多いですか?
・感情的な態度はしないようにコントロールしていますか?
・うまく行かない時でも、落ち込まずやり直してみようとしていますか?

肯定的なイメージ
・目標を達成するイメージを頻繁に思い浮かべますか?
・周囲の人が喜んでいるイメージを頻繁に思い浮かべますか?
・ネガティブな感情的なイメージは見方を変えて排除するようにしていますか?
・1日の始まり、1日の終わりには、 肯定的なイメージを思い浮かべていますか?

健康
・毎朝、さわやかに起床していますか?
・食欲はあり、毎朝、朝食を摂っていますか?
・動くことを嫌がらず、運動を楽しんでいますか ?
・体幹筋の向上に気を配っていますか?

肯定的な仲間づくり
・周囲の人は肯定的ですか?
・周囲の人に明るい挨拶や聞き上手などの肯定的な刺激を与えていますか?
・周囲の人にチャレンジする心を奨励していますか?
・周囲の人の幸福を共感していますか?

感謝の視点
・健康に感謝していますか?
・お金や物、自然の恵みに感謝していますか?
・仕事や趣味に感謝していますか?
・先祖、家族、周囲の人々に感謝していますか?

肯定的な視点
・なれる最高の自分になるように意識して暮らしていますか?
・問題を自己成長のチャンスとポジティブに受け止めています?
・何ごとにも、具体的な対策を立て、行動していますか?
・大局を見失わないようにしていますか?



肯定的な構えは健康から




リーダーシップの基礎である<肯定的な構え>を持続するには、健康は欠かせません。さすがに病気になるとテンションも下がるのが常です。

もっとも病気にならないように親が気配りをしているものの、子どもは健康について話題にしません。健康を話題にすることはすでに健康でないことを物語っています。衛星放送を眺めていると、次々と健康食品の広告が続き、いやでも気にしないといけない雰囲気になってきます。

年齢を重ねるほど健康が気になりだし、高齢になると病気の会話が中心の人が増えてきます。スポーツクラブで病気の会話で盛り上げっている光景はトホホの感があります。同じスペースで同じような年齢の人が運動に夢中で汗を流している人もいるわけで面白いものです。

健康は、ライフスキルの内の自己認識スキルが反映されたものです。 自己認識は自分の考えや感情を客観的に認識できるスキルです。

個人の時間だから、テレビをみようが、マンガを見ようが、音楽を聴こうが自分の自由だろうということで、深夜遅くまで楽しむ人がいます。楽しむことは 大いに賛成ですが、毎日の中心を仕事におくのか、プライベートな時間におくのか?楽しさと快楽の問題が影響しています。

健康力が弱いと いくつか問題が生じてきます。 若いと子どもと同じく健康に無関心になる傾向がありますが、実際には少し体調を崩しただけでも気分は優れないものです。具合が悪い箇所に意識が集中してしまうとさまざまな障害が出てきます。睡眠時間が少なく、ボーッとして、午前中は自分の才能が使いものにならない人がいます。疲れていると仕事の質が落ち、ミスをします。

・やる気がなくなる
・集中力が出てこない
・思考力が鈍る
・根気が続かない、
・ささいなことで落ち込む
・不安になる
・ミスが増える

このように気力が低下した状態で、ムリをすると、ますます体調が悪くなり ます。疲れを我慢していると、感情的になり、周囲の人に対して当たったり、 反発的な態度をとったりします。相手は不愉快になり攻撃的になります。心身 ともに悪循環に陥ります。

しかも自分だけでなく周囲の人も巻き込んで楽しく なくなります。自分が機能しないばかりか、 事故でも起すと、人や財産を傷つ けたることもあります。場合によっては自分と他人の人生を台無しにすること も起こります。

日々の暮らしも、仕事も、常に危険と隣あわせにあります。他人が自分を、あ るいは自分が他人を、危険な目にあわすことは、いつ何時起こるかもしれない のです。転ばぬ先の杖 、未然に防ぐには、頭と身体をベストなコンディション にして仕事に臨むことです。 逆に、体調がすこぶるいいときは、やる気満々で物事に臨む事ができます。集 中力や持続力を発揮してぐんぐん仕事を進めることができます。障害があって も、ちょっとやそっとのことでは挫けない、プラス思考ではねのける元気もわいてきます。

周囲の人とのコミュニケーションもスムーズになります。 多少ムリをしても心身の元気は保たれ、好循環を生み出します。 健康を維持するために、心がけるポイントは三つです。

・睡眠と食事は健康の基本 
・定期的な健康診断を受ける
・気力のある毎日を過ごす

睡眠と食事は健康の基本です。スポーツジムで身体を鍛えるにしても基礎的なルールを無視すれば効果は望めません。

1)早寝早起き
2)バランスのいい食事
3)日常生活での自然な運動
4)そしてジムでの運動

過剰な健康への意識は弊害になります。ひとつひとつの作業に集中しているとコンディションも回復に向かいます。使命感と目的から得られる喜びがあれば、体は柔軟にムリをきいてくれるもので す。身体は気持ちに左右されることも知って、メンタルタフネス力を忘れないように肯定的な構えを大切にしたいものです。



WIN-WINへ誘うアサーティブ



誰にとっても人生の主人公は自分のはず。一番大事なのは自分です。だから同 じように周りの人も自分が大事なのです。見知らぬ誰かにとって、あなたは、 その他大勢でしかなくても、本当は誰だってその他大勢で片付けられる存在ではありません。 

人間関係の問題は、周りの人との関係で起こるから、両者が傷つかないようにしたい。それがWIN-WINというわけです。

どうすればそうできるのか、その基本になるのが積極的自己表現。アサーティブです。その理念は人権の尊重です。アサーティブは1960年代のアメリカで誕生した考え方です。黒人差別、女性差別などに対する抗議が根っこにありました。解決したように見えるこれらの問題はいまも続いています。

アサーティブを少し詳しく言うと3つの分類があります。

・アサーション(assertion)
・アサーティブ(assertive)
・アサーティブネス(assertiveness)



アサーション(assertion)は、自己主張ですが、誤解を招くことのないよ うにするために、自分を率直に表現すると解釈をしたほうがいいしょう。 アサーティブ(assertive)は、アサーション(assertion)の形容詞です。 アサーティブネス(assertiveness)は、自分を率直に表現しあう「関係」です。いずれも率直、誠実、対等、自己責任の4つを柱にしています。

4つの柱が理解できていると次の点に納得がいくし、無理にコントロールしてはいけないことも納得できます。

・他者を変えることはできない。
・自分の性格を変えることは簡単ではない。
・自分の行動は変えられる。

では仕事上で他者に変わってほしいときはどうすればいいのでしょう。他者を変えることはできないけれど、影響を与えることはできます。影響を与えて自主的に行動を変えるようにしてもらうのです。リーダーシップが活躍できるシーンです。ですからマネジャーとリーダーシップは切り離せません。当然 アサーティブも切り離せないので肯定的な構えは基礎になります。いちいち否定的になっていたらマネジメントはできないのは明白です。

マネジメントの意味は、「なんとかする」で語源は<マネジ/manage>で、困難なことを乗り越えて目的地に到達する意味です。マネージャーはマネジメントする人で、マネジャーが正しい表現です。NHKでもマネージャーと表記していますが、これではマネーを管理する人と錯覚してしまいます。大事なことは「困難なことを乗り越えて」というのが前提の職種だということです。

荒馬を慣らしながら荒野を往き目的に到達する。あるいは筏で激流の川を渡っていく。マネジメントの本来のイメージはこんな感じです。マリリン・モンローの「帰らざる河」は、まさしくマネジメントとはどういうことかビジュアルで教えてくれる作品でした。

ですから肯定的であると同時に、ひるまず乗り越える意欲を持続できる成長力を持ち合わせていることが基礎的な力になります。