2015年2月21日土曜日

愚痴、不平不満、悪口、不安、悲観など否定的な言葉を口ぐせにしない。

SNSを使って、格言やことわざの引用をされる方がたくさんいます。ご本人は勇気づけのつもりで使用されていると思いますが、これには注意が必要です。意外と思われるかも知れませんが、格言やことわざの引用は対象を否定するネガティブな言葉の範疇に入ることが少なくないからです。親子の関係で考えていただくとその意味が容易に分かると思います。

すべての人には、三つの心があります。正確には五つあります。

・親の心 (厳格な親の心、保護的な親の心)
・大人の心
・子どもの心 (無邪気な子どもの心、従順な子どもの心)


ダメだよ。バカだな。すべきだ。しなくてはいけない。絶対にしてはいけない。私のいう通りにしなさい。格言やことわざの引用。

これらは父親的な<厳格な親の心>から発せられる言葉の一例です。その時のトーンは説教調。批判的。断定的。威圧的。権威的。押しつけ調です。見せかけの自己肯定の一方で周りの人に否定的。独断的。偏見。保守的。排他的。支配的。規制的です。

この裏返しに、<従順な子どもの心>があります。
<従順な子どもの心>からはしていいでしょうか。できません。どうせ私なんか。するつもりです。悲しい。淋しい。不安、悲観的な言葉が目立ち一方で、裏に回れば愚痴、不平不満、悪口、など否定的な言葉が代表例で、トーンもボソボソ。自信がない。ぐずぐず。遠慮。くどくど。めそめそが目立ちます。
表情、動作としては顔色をうかがう。いい子。ため息。じめじめ。暗い。おどおど。不安。恐怖。憎悪。ひきこもり。よりかかり。くってかかるなどです。自己否定。他律的。依存的(従順)。反抗的。挑戦的。屈折した甘え。すねる。恨む。自虐的。自己愛的な構えが特長的で<厳格な親の心>が背景にあります。


一方、母親的な<保護的な親の心>から出る言葉には、気になるよ。よかったね。よくできたね。まかせておけばいいよ。してあげよう。きれいだね。可愛いよ。可哀相に。 大丈夫。できますよ。などが代表例です。

その時のトーンもやさしい。柔らかい。愛情がこもっている。同情的で、態度も温かみがあります。自己肯定、周りの人に対して肯定、世話好き。寛大。面倒見がよい、受容的、やさしい。理解に富む。非懲罰的な構えが目立ちます。

大人の心とは、これらの中間にあり、構えとしては事実中心、理論的、合理的、客観的、説明的、情報収集的、打算的です。言葉もどうすれば?いつ。どこで。誰が。どのよう
に。なぜ。と思います。具体的にいうと。ということですか。などがそうです。

本来の自分らしさは、<無邪気な子ども>がそうです。
・・・がほしい。・・・がしたい。楽しいね。好きだ。嫌いよ。かっこいい。ああ、面白いね。感嘆詞で語られる言葉が代表例です。明るい、開放的なトーンが特長的で、ユーモア。あっさり。自由な感情表現。自発的、活発。よく笑う。ふざける。伸び伸び。自由闊達。朗らかで明るい構えが目立ちます。

この背景に<保護的な親の心>があります。

バランスのとれた<厳格な親の心><保護的な親の心>によって年齢を重ねるほど、<従順な子どもの心><大人の心>を身につけると同時にコピーされた<厳格な親の心><保護的な親の心>を身につけていきます。

<厳格な親の心>✖️<保護的な親の心>のバランスが悪いと、<従順な子どもの心>が突出したり、<大人の心>が突出します。

人は誰もが5つの心を使ってコミュニケーションしていますが、バランスが悪いと関係性を悪くしてしまいます。子どもが犯罪を起こす場合、そのほとんどに過剰な抑圧に失敗した挙句に起こる<従順な子どもの心>の暴発が見受けられます。また会社勤めで起こる過剰な<大人の心>へ適合できなくなってうつ病になることも起こります。

この背景には、<厳格な親の心>から発信され、いつしか無意識に沁み込んだ否定的な言葉と態度、構えの過剰な使用があります。たとえばお客様の目の前ではポジティブな言葉や態度を意識的に使用していても、自分の本音は自分が知っています。

それが自分と自分の仕事を作っています。常にネガティブな側面にフォーカスしているのです。日常的に「業績を上げたい」と口走っていても、その真実は「業績が悪い」にフォーカスしているわけですから改善が出来なくなってしまうのです。この場合の「業績を上げたい」はポジティブでなく、実際にはネガティブなのです。

<無邪気な子ども心>から発信された「業績をあげたい」と従順な子どもの心から発信されたそれでは言葉は同じでもトーンも行動も職場の雰囲気も違うのは歴然です。否定的な言葉を使わないようにするには、構えから肯定的でないと有効でないというわけです。

ポジティブで健全なリーダーシップが機能していれば、PDCAは難なく使いこなせます。否定的な成人は「PDCAは大事ですがなかなか難しくて」と平気で言いますが、世界中で無邪気な子どもは一番のPDCA名人です。


ワーカホリックになったリーダーは顔色を伺った末の従順さゆえですが、仕事も遊びも関係のない健全なリーダーは保守的、支配的、規制的にならず自由闊達に仕事を楽しんでいるので問題発見と解決もうまいのです。見せかけで判断せずにしたいものです。





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