人は言葉を使って考えるので、使う言葉は自分を作ります。肯定的な言葉、態度の代表格はなんといっても挨拶です。
挨拶は挨拶力といってもいいほど自分の力が試されます。挨拶は、ライフスキルの内のコミュニケーション・スキルの典型的なスキルで、挨拶には感謝する能力が含まれています。
つまりWINーWINの基礎的な能力です。成長しない会社ほど挨拶ができません。いくら立派なことを言ってもロクにできないのは基礎ができていないからです。それもそのはずそもそも社会人としてなっていないからです。肯定的な人間関係の仕方ができないのです。否定的な構えが組織の主流になっているのです。
挨拶は社会人ホヤホヤの新入社員の方が、真っ先に身につけるスキルですが、 社会経験が豊富な人は挨拶の達人になるつもりで努力したいスキルです。
最近は、新入社員に限らず、挨拶ができない、しない人が多い傾向にあるのは どうしてでしょうか? 大企業でもオフィスはもちろん、社宅や寮でも問題になっていますが、改善が進まないようです。
挨拶の言葉はとっても素敵な言葉で、気持ちを和ませる力があるのに、挨拶をしないのは、もったいないとしか言いようがありません。
挨拶とは、儀式であると感覚的に覚えてしまった人が増えているのかも知れません。どうせ決まり文句、言っても言わなくても同じと思っているかも知れませ ん。挨拶するのが、恥ずかしい、照れくさいということもあるかも知れませ ん。しかし「挨拶」は、人間関係の基本なのです。
なぜ挨拶は人間関係の基本なのでしょうか。 挨拶とは、相手を思い、自分を思う、思いやりと感謝の気持ちそのものだからです。
挨拶の言葉には、いくつもの思いがこめられています。 「おはようございます」には、私は元気です。あなたはどうですか?私は今日も頑張ります。あなたもがんばってください。
「いらっしやいませ」には、 よくお越しいただきました。当店を選んでいただきありがとうございます。わざわざお時間をさいていただきありがとうございます。というような意味があります。
ですから、相手が誰であっても、自分から近づいて挨拶しましょう。 相手が先輩、上司、お客様なら当り前、後輩、家族、友人にも自分からします。
挨拶は楽しいものです。自分の良心と良識、つまり挨拶を通じて自由を表現するわけですから、愉しくないわけがないのです。愉しいことを陰気な感じでしていると、自分でも自分の感情がなんだか分からなくなってきます。 挨拶が愉しいものと思えないという人は、その意味をよく考えてください。
出かけるときの「行ってきます」には意味があります。 私は外でする用事があるので出かけます。出先での仕事に頑張ります。留守をよろしくお願いします。私に用件が入ったら代わって応対してください。といった意味が込められています。
「いってらっしゃい」には、「気をつけて行ってきてください。」の意味があります。あなたの留守中、頑張ります。あなたに用件が他から入ったらあなた に代わって応対しておきます。といった意味が込められています。
「気をつけて」「今日も元気で」「皆さんによろしく」、言葉にできないメッ セージをひとことに込めて、挨拶をしていると、挨拶するほどに心の泉に愛がたまっていきます。
家族の間でも同じです。お母さんとこどもの間でもメッセージがやりとりされています。だから想いがしっかり伝わるように、元気に明るく、笑顔で、相手 の目を見て心で伝えるようにします。目は心の窓です。
目を見ないで、挨拶したり、ありがとうございますと言っても、心は届きませ ん。言葉は相手の意識に届きますが、まなざしは相手の心に届きます。 思いやりをこめて挨拶することがとても大切なのです。メッセージと共に、自然に親しみとやさしさが伝わります。あたたかい気持ちを投げかけたら 、やっぱりお返しにあたたかい気持ちが返ってきます。だから身体を使って態度で表 現すると、より伝わります。
歩いているときに、出会ったら、立ち止まって挨拶をします。 「おはようございます」の最後の「す」を言い終わってから、お辞儀すると、 一層伝わる力が強まります。お辞儀は身体で表現する挨拶です。 お辞儀には、腰を折る角度が15 度の「会釈」、30 度くらいの敬礼、45 度の 最敬礼の3 種類があります。
お客さまの出迎えやお見送り、訪問した場合は、最敬礼です。 同僚には会釈、頻繁に接する上司には会釈、多少あらたまった場合には敬礼です。最敬礼でも悪くありませんが、しかし家族間で最敬礼は変です。ですから家族とはいかないにしても社内の場合は「身内」ですから深々としな いのが普通です。最敬礼をしないのは、お互いの間にある「境界」をゆるめて いるからです。 国と国の間には国境がありパスポートを確認します。最敬礼をしないのは、パスポートの確認をしなくていいような意味です。しかし、境界があることを忘れてはいけません。ゆるめるのと越えるのは全く違います。
気持ちのいい挨拶ができることは、お互いの境界を認めることですから、自立 が進むことなのです。挨拶をすると開放感が自分の内側で起こります。どんどん自由になっていきます。心をこめた挨拶をするたびに、自立に向かっています。
世界には6100 からの言語があります。言葉は違っても、 世界中で一番美しい 言葉 「ありがとう」です。言葉が違っても美しいのは、感謝する心が美しいからで、世界共通です。
世界中の人々は美しくなるためにお金も時間も使っています。先進国であるほどそうです。だから美しい言葉 「ありがとう」を使わないのは矛盾していま す。どんどん気持ちを込めて使わないと、損をします。 「ありがとう」を使う習慣を持った人は美しく見えます。
使い方によって、さらに美しくも、カッコよくも見えます。 気持ちが伝わりやすい「ありがとうございます」は、気持ちが伝わりやすいだ けに、繊細なので、取り扱いに注意が必要です。
さて、現在形の「ありがとうございます」と過去形の「ありがとうございまし た」は同じでしょうか?過去形で言ってしまうと、相手に「もう用件は終わりました。後は勝手に。」 と聞こえる場合があります。せっかくの美しい心が歪んで聞こえてしまうことが あります。これでは寂しいですね。過去のことでも、いまの気持ちで感謝を伝える方が、うれしく響きます。
英語のTHANK YOU に過去形はありませんよね。使い方に気をつけて、現在形 で伝えると「いま私は感謝しています」の意味になります。感謝の心はいつも 「ありがとうございます」で伝えます。
「ありがとうございます」に気持ちをこめて、どんどん使えば、使った人は美 しく見えますし、相手の方も美しく見えますよね。 高価なファションに身を包まなくても、自分の気持ちを言葉にすれば、より美 しく見えるのです。 挨拶も、ありがとうも、現在形で、相手の目を見て、自ら率先して身体を使って、心で伝えます。
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