2013年6月4日火曜日

仕事は愛


人は誰でも年齢を重ね老いていきます。老いとともに意欲が減退するのは無理もありません。かっては走ることができたのが、ゆっくりしか歩けなくなります。「身障者でも会社経営しているではないか」というのはもっともであっても、それを誰も真似できるわけではありません。

では、やはり老いの前に意欲を失うのは仕方がないのでしょうか?
答えはノーです。
実は意欲は年齢に関係ありません。若くてもやりたいことのない人に生気はありません。なにかにつけ安定を考えて挑戦を拒みます。自分では自由を選んだつもりでも実際には不自由を選んでいるのですが、この種の人には届かないことです。

自由な人は、強制することも、恐怖を与えることもありません。他者のルールに従わなくても、自分自身の内側から、選択と集中が発揮されるからです。
老いに屈するのは、実は老いに屈しているのではなく、ルールに屈しているのです。「自分はもう70歳だ。いまからなにかできることはない。」・・・こう思うのは自分のルールではなく、世間のルールで判断しているからです。

アルプスを制覇した三浦雄一郎さんは、決して万全でない身体を前提として、アルプス制覇に臨みました。目標達成から逆算して必要なことを自らに課してクリアした結果の挑戦です。このルールは、やりたいことを実現する人に共通したルールです。それは誰かの真似ではなく、理に叶ったことにすぎません。どうしてもやり遂げたいと思ったとき、だれもが講じる手段です。

老いとともに意欲が減退しない自分で‘あるために、重要なことは、たったひとつ。ミッションを持っていることなのです。

しかし、考えてみてください。ソフトバンクの孫さん、大リーグでプレーするイチローさんのように早い段階で、自分のやりたいことを明確にしている人は稀です。大半は会社勤めしながら目覚めていくものです。30歳、40歳になってやりがいを通じてミッションを感じるのが大半です。優秀と思われる人でもその程度です。すると60歳までに与えられ期間は30年から40年です。長いようでも実際には短いのです。

しかもミッション、使命とは、やればやるほど深まるので、自分のルールで取り組んでいたら、60歳、70歳はまだまだ意気盛んな状態になるものです。自分の内側にあるミッションの達成を望む意欲があれば自分のルールで自分を動かすことができます。

つまり、それが愛なのです。

仕事は愛です。愛とは仕事にも恋愛にも結婚生活にも、あるいは介護にも通じているものです。本当の愛には自由があります。愛がもたらす自由には、尊重があります。
「あなたが私の言うことを聞けば、愛してあげるよ」というところに愛はありません。
「あなたが私の商品を買えば、親切にしますよ」 というところにも愛はありません。
「あなたが私を褒めたら、あなたに感謝しますよ」というところにも愛はありません。

愛は引換に得る物でも、与える物でもありません。
愛とは自他ともに尊重することであり、自由を尊重することです。
ミッションとは愛そのものなのです。

あの人を少しでも幸福にしてあげたい。
あの人を喜ばせてあげたい。
あの人たちの暮らしに少しでも役に立ちたい。
あの人たちを少しでも安心させてあげたい。

これらの思いは、取り組めば取り組むほど、やがてミッションに成長していきます。
併せて人間力、ライフスキルが磨かれて行きます。

しかし、反対にミッション、あるいはミッションの種になることがなければ、どうなるでしょう。

何のために仕事しているのか分からなくなります。つまり自分のルールがないので、老いと共に世間のルールで判断するしかなくなります。他者の真似をするしかないのです。「こんなものだろう」という判断です。

これを若い時に置いてみましょう。自分のルールがないので、他人の真似をして「こんなものだろう」という判断を重ねていきます。これを結婚生活に落とし込んだらどうでしょう。隣の夫婦と比べて、同僚の家庭と比べて、遜色がないから、こんなものだろうと判断して暮らす生活をどう思うかは自分の判断です。しかし仕事場面で振り返れば、他店と同じような店がいくらあっても、消費者は共感しません。つまり売れないのです。

幸福な仕事をしたいなら、幸福な結婚生活をするのと同じで、他者からの外側の評価に身を委ねないことです。他者の内面にまで評価する人、目配りする人は、余程、特別な関係にある人だけです。親でさえなかなか関心を持ってくれません。代わりに外側の評価をします。その結果、子どもは親を無視するようになります。仕事で顧客が共感しなくなるのと同じです。

人は早い段階から、いくつになっても主体性を持ち、自分の内側を大切にするようにすれば幸福な人生が送れるようになっています。
なにかと問題があるように感じて、疲れたときには、是非思い出してください。



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